ISO審査員になるためには??
世間にはISO審査員に成りたいとお考えになる方が非常に多いようです。もし、「ISO審査員に転職を…」と考えているなら、結構厳しいですよ。私の実体験を少しご紹介しましょう。
■審査員補になるための費用
・審査員研修会(5日間コース) 25万円
・審査員登録 3万円(登録費、初年度年会費など)
↑
ここまででだれでも審査員補になれます。
■審査員補→審査員(契約審査員での活動の場合)
・審査オブザーバー 1回
・審査経験 20日以上
↑
勿論、審査会社に入っての審査なんですが、「無給」です。私の所属している審査機関は旅費・交通費は出してくれますが、出してくれない会社もあるようです。
この出費はでかいです。皆さんの人件費等が3万円/日としたら、20日で60万円、それに旅費交通費も馬鹿になりません。
■そのため必要なもの
最近は、審査の場で、パソコンを使用し、報告書を書かないといけない場合が多いので、ノートパソコン持っていないと購入の必要性もあります。(私はA4サイズのでかいノートパソコンなんで、移動はとっても辛いです…)
審査員登録証も年1回の更新料が1万円以上します。
色々考えると、審査員になるまでに最低100万円は自己投資が必要です。しかも、仮に審査会社と契約できても、審査機会は1回/月もないと考えたほうが良いかと思います。
審査員補→審査員には契約審査員の皆さん、平均2年程度掛かっているようです。(そういう私も未だに、審査員格上げ申請中です。)
その間、収入ゼロどころか、出費ばかりですから…
審査員になって投資額を回収するのは、さらに3-4年以上掛かります。
■これから審査員で活躍できそうな人
・以下はあくまでも私の個人的な意見です。絶対ではありませんので、ご注意下さい。
1.食品分野が分かる人(HACCP、ISO22000関係)
…私が契約審査員でいられるのは、食品という専門性があるからです。
2.超専門分野(医療、原子力など)
…認証取得しようという企業も少ないが、それを審査できる人も少ない。
3.若い人
…審査員は高年齢化(平均60歳以上か?)しているため、若返りが必要。最近では審査員に55とか60歳とか定年を設けている審査会社もあるようです。
4.コンサルタント経験が豊富な人
…これは少し難しいかもしれません。審査員の経験を生かしてコンサルタントになろうという人が多いようですから…
5.マネジメント経験者
企業の品質管理だけでは駄目です。経営に関する事項を分かる人。
■裏話
審査員補教育担当者とお話しをしたのですが、「審査に行かせたく無い人(審査員補)には、契約解除こそしないが、審査を入れてくれという要求があっても、審査は入れない」そうです。
もし、契約審査員になっても審査機会が回ってこないなら…その先はご自分でお考え下さい。
*契約社員ではなく、審査会社に転職できれば一番良いのですが、それはなかなか難しいかもしれません…
それでもISO審査員を目指す人、頑張って下さい!!
応援します!
